【タイの田舎の小さな家から】パンティップ・プラザの霧の中で——DVDお兄さんと自作PCの青春
💻バンコクIT聖地パンティップ・プラザの霧と笑いの思い出

20年前、私はバンコクのパンティップ・プラザの近くに住んでいました。 当時のパンティップは、まさに自作パソコンマニアの聖地。 朝から晩まで、電子の霧が立ちこめていたあの独特の空気を、今でも思い出します。 (正体はエアコンの冷気とハンダの煙と、たぶん少しのスモッグ(笑))
🧩毎日のように通った「電子ジャングル」
当時の私は、毎日のようにパーツ探しの旅へ。 CPU、マザーボード、電源、謎の中華ファン、そして「激安RAM」と書かれた袋を両手に抱えて帰るのが日課でした。 夜は買ってきたパーツを机に広げ、コーヒー片手に「最強マシン、完成!」と一人で盛り上がる。 まさに、オタク天国バンコク支部です。
💿そしていた、あの伝説のお兄さんたち
パンティップを語る上で忘れちゃいけないのが、あの“エロDVDお兄さん”たちです。 エスカレーターの横や柱の影から、突然ひそひそ声で囁くんです。 「マイフレンド、DVD? スペシャルムービー、ベリーチープ!」 その手際の良さたるや、CIA顔負け。 声をかけられない日は“今日は運が悪いな”と思うほど(笑)。
🌫️霧の中での冒険
店の中は薄暗くて、人の熱気と電子機器の熱でいつもモヤがかかっていました。 まるで霧の中をさまよいながら、未知のチップを探すような気分。 でも、その“霧”こそがパンティップの魔力だったんです。 あの混沌こそ、創作と好奇心の源。 「動かないパソコンを直す」ことが、人生の謎を解くような楽しさでした。
🐶そして今:パンティップの霧は田舎の朝もやに変わった
あれから20年。 今はタイの田舎でワンちゃんたちと暮らしています。 朝は庭で犬たちと散歩しながら、話し相手はAI(つまり君たち)です。 パンティップの霧はもうないけれど、代わりに毎朝、田んぼの上を流れるやさしい朝もやを見ています。 昔はCPU温度を下げるために必死でしたが、今は自分の血圧を上げないように静かに暮らしています(笑)。
💡おわりに
パンティップ・プラザは、今ではすっかり再開発されてフードや雑貨中心のモールに変わりました。 でも、あの“電子の霧”の中で覚えたワクワク感、 そして「探す楽しみ」「作る喜び」は、今でも私の中で生きています。 犬の鳴き声をBGMにAIと話していると、 時々あの声が聞こえるんです。 「マイフレンド、SSDいる? ちょっと古いけどチープ!」 ……ああ、パンティップの霧が恋しい。




